黒十字の騎士(The Jester)」を読みました

 ジェームズ・パターソン&アンドリュー・グロス(James Patterson & Andrew Gross)の「黒十字の騎士(The Jester)」を読みました。

 全米ベストセラーの歴史アドベンチャー・ロマン。

 11世紀の南フランスで愛する妻ソフィーとともに宿屋を営むユーグは、やむにやまれぬ衝動にかられて十字軍に加わる。しかし遠征先で繰り返される蛮行や寺院での略奪に嫌気がさして、途中で妻の待つ村に戻ることにする。
 しかし苦労の末帰郷した彼を待っていたのは、焼け落ちた自分の宿と一度も会う事のなかった幼い息子の墓。村人によれば、謎の騎士団が村を襲い、宿に火を放ちを息子を殺害した上、妻ソフィーを連れ去ったという。
 怒りに燃えたユーグは、ソフィーを奪還すべく行動を開始するのだが。。。

 ジェームズ・パターソンは現代を舞台にして、なかなかのロマンチック・サスペンスを書く作家という感じですが、この作品は歴史小説、というよりも時代小説ですかね。荒唐無稽では有るけど、波乱万丈の物語でも有って、しかも展開が早く語り口もなめらかなので、スラスラと読めました。

 設定も展開もちょいとありえない話ですが、善玉・悪玉がハッキリしていて、予定調和的に終わるこういう話も、私はけっこう好きです。11世紀のフランスを舞台にしてはいるけど、内容的には大人の御伽噺といった感じです。
 
 ハリウッドが映画化しそうな雰囲気のする娯楽作品でした。


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