2018年2月25日日曜日

「仁和寺と御室派のみほとけ」展

東京国立博物館で開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」展に行きました。

宇多天皇が仁和4年(888)に完成させた京都・仁和寺を本山とする真言宗御室派の仏像や、御室派寺院に伝わる名宝を展示した展覧会で、なかなか見どころの多い展覧会でした。

特に第二会場に展示されている多くの仏像には圧倒される思いがしました。

普段は非公開の観音堂の内部を、実際に安置されている33体の仏像と壁画の高精細画像で再現した展示は写真撮影もOKで、多くの方が撮影していましたが、そう言えば随分と前に仁和寺に参拝した時には、あまりこういう荘厳な雰囲気は感じなかったような記憶が・・・。








仁和寺創建当時のご本尊である国宝の「阿弥陀如来坐像および両脇侍立像」もすごかったけど、何よりも葛井寺のご本尊の国宝「千手観音菩薩坐像」の迫力は圧巻でした。

普通にお寺に参拝に行っても、ご本尊をこんなに間近に拝観出来ることはまずありませんし、とても貴重な体験でした。

千手観音と言っても、実際に千本以上の手を持つ千手観音像は、現在確認できている限りではこの葛井寺の観音像だけのようで、千本の手が光背のように広がっている様は見事です。


昨年観た運慶展も良かったけど、今回の展覧会も素晴らしかったですね。





2018年2月24日土曜日

映画「グレイテスト・ショーマン」 面白かった

映画「グレイテスト・ショーマン」を観ました。

19世紀に活躍した実在の興行師フィニアス・テイラー・バーナム(P・T・バーナム)を主人公にした、ヒューマニズムと愛に溢れたミュージカルです。

貧しい生まれのバーナム(ヒュー・ジャックマン)は、上流階級の令嬢チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と恋に落ち結婚する。

ニューヨークで妻と二人の娘に囲まれて、貧しいながら幸せな日々をおくっていたが、勤めていた会社が倒産した事から、興行の世界に入り奇抜なアイディアと実行力で成功を収めていく。





主演のヒュー・ジャックマンが予想した以上に歌もダンスも上手くて驚きました。

映像や音楽には迫力があり、物語のベースには愛があって、人生の成功と挫折とそれを乗り越える仲間がいて、バーナムの娘二人も可愛くて良かったです。

19世紀のアメリカが舞台ですので、階級的な差別が露骨にあり、バーナムのショー自体も差別を受けている小人症の男性や異常な大男、髭の生えている女性歌手、全身刺青の男などを見世物にして人気を集めていく訳ですけど、そういうショーを見世物として捉えるのか、世間から隠されて影の中で生きてきた人たちに光を与え、誇りをもって生きていく道を示したと捉えるかで、印象が大分変わってきます。

もちろんこの映画の中では後者の方で、差別に立ち上がる人たちの姿が、トランプの主導する今現在のアメリカに対する抗議にも重なって見えて、色々と思うところがありますね。

ただそんな風に穿った見方をしなくても、単純にエンターティメントとして楽しめる、いかにもアメリカ的な明るくゴージャスなミュージカルで面白かったです。





2018年2月18日日曜日

宝塚花組公演「ポーの一族」

東京宝塚劇場に宝塚花組公演「ポーの一族」を観に行きました。

名作の呼び声高い萩尾望都のマンガ「ポーの一族」を、宝塚で舞台化したミュージカル作品です。

原作を知らないと分かりづらいのではないかと、観劇する前に家内が言っていましたが、原作マンガを読んでいない私でも特に分かりづらいということはありませんでした。





「ポーの一族」と名乗る吸血鬼(バンパネラ)たちの長老女性ハンナに、妹メリーベル(華優希)とともに命を救われた少年エドガー(明日海りお)は、血族が村人たちから襲われて壊滅する前に、意に沿わないながらバンパネラの大老により14歳の若さでバンパネラとされてしまう。

生き延びた「ポーの一族」のポーツネル男爵(瀬戸かずや)とその妻シーラ(仙名彩世)を養父母としたエドガーは、自らの手でメリーベルをもバンパネラとし、各地を放浪する貴族の子として生きてきた。

長い年月が過ぎ、とある港町を家族とともに訪れたエドガーは、その地で少年アラン(柚香光)と出会う。


吸血鬼を題材にした物語によくあるように、全体的にどこか耽美的な雰囲気を漂わせています。

宝塚ミュージカルでは、ヒーローとヒロインのロマンスを巡る物語が殆どですけど、少年エドガーが主役ではそういうストーリーは難しく、この作品も全体的には愛をテーマにしているようですけど、男女の愛というのとは少し違っているようです。

宝塚的にどうなんだろうと思いましたが、意外と違和感はなく、面白い作品だったと思いました。





2018年1月29日月曜日

宝塚宙組公演「不滅の棘」

先日、日本青年館ホールに宝塚宙組公演「不滅の棘」を観に行きました。

「山椒魚戦争」で日本でも知られるチェコの作家カレル・チャペックの戯曲「マクロプロス事件」をミュージカル化した作品で、以前に春野寿美礼と瀬奈じゅんコンビが演じた時には評価が高く、私の家内もとても観たかったそうですが、残念ながらチケットが取れなかったらしい。


主人公は父親が創った薬を飲まされて不老不死となった男性エリィ(愛月ひかる)。16世紀の終わりに生まれたエリィは19世紀のプラハで歌手となっていたが、そのエリィに恋をしたのは男爵家の令嬢フリーダ・プルス(遥羽らら)で、不死の人間として孤高の人生を歩んでいるエリィはフリーダと距離を置くつもりが、純粋なフリーダに惹かれ結ばれてしまう。

それから100年後の1933年のプラハ。4代前から続いているフリーダ・プルスの遺産相続裁判の判決がいよいよ下される事になり、原告であるフリーダ・ムハ(遥羽らら)の敗訴が濃厚な中、プラハ公演に訪れたハリウッド・スターのエロール・マックスウェル(エリィ)がフリーダの弁護士の元を訪ね、フリーダが正当な相続人である証拠の存在を告げる。


舞台も衣装も白で統一されていて、テーマは望んでもいない不老不死を手に入れた人間の底知れぬ苦悩と絶望と愛の物語。

抽象化された様式美とテーマが上手くマッチされていて、重いけど良い舞台だったと思います。





2018年1月21日日曜日

宝塚雪組「ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」

東京宝塚劇場に宝塚雪組公演「ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜 / SUPER VOYAGER!」を観に行きました。

雪組新トップ・コンビの望海風斗と真彩希帆のお披露目公演になります。





「ひかりふる路(みち) 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」は、サブ・タイトルにある通りにフランス革命後に権力を掌握して恐怖政治を敷いたマクシミリアン・ロベスピエールの台頭から処刑までを、革命により家族や婚約者を殺害された女性マリー=アンヌとの愛憎を交えながら描いています。

フランス革命に纏わる物語は宝塚歌劇の得意とする所ですが、どちらかと言えば非情な独裁者的な立場で描かれることが多いロベスピエールを、自由・平等・博愛の革命の理想に燃える清廉な青年として描き、そういう人物が革命を成し遂げるために変貌していく様子も描いています。

トップ・コンビは歌も上手だし、見栄えも悪くないので、それなりに良く出来ていたと思いますけど、全体的には平均点の宝塚ミュージカルという印象でした。


ショーの「SUPER VOYAGER!」は全体的に明るいショーで、特に前半は動きの激しいダンスが多くて、楽しい雰囲気で良かったと思います。



2018年1月14日日曜日

宝塚宙組公演「WEST SIDE STORY」

東京国際フォーラムに宝塚歌劇宙組公演「WEST SIDE STORY」を観に行きました。

元々は今更言うまでもない大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルで、以前にも宝塚で上演されましたが、2018年は音楽を担当したレナード・バーンスタインの生誕100周年にあたるということで、また新しい宝塚歌劇版のウェストサイド・ストーリーとなっているそうです。

私は本場のミュージカルは知りませんけど、ナタリー・ウッドがマリアを演じた映画と、以前に宝塚で上演した舞台は観ているはず。しかし細かい所の記憶がない。

今回の「WEST SIDE STORY」を観て、あまり宝塚向きじゃないなと思いました。

個人的には悪くないと思いました。原作に忠実で楽曲も知っている曲ですし、ウェストサイド・ストーリーの世界観がよく出ていたと思います。

ただ、宝塚ミュージカルはトップスターとヒロインが歌って踊って、他の出演者はそれを盛り立てるというような構成が一般的ですので、トップコンビの出番がやや少ないように思えるこの作品は、そういう点であまり宝塚的でなかったように思います。

もっとも、そういう宝塚のお約束にこだわらない私のような観客には、ジェット団やシャーク団のダンスシーンなどは迫力があったし、全体的に上手くまとまっていて良かったのではないでしょうか。

2018年1月7日日曜日

DESTINY 鎌倉ものがたり

映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」を観ました。

「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じく、西岸良平の原作マンガを山崎貴監督がCGを駆使して実写映画化した心温まる作品です。





舞台は幽霊や妖怪なども人間と共存して暮らしている架空の町・鎌倉で、中年のミステリー作家・一色正和(堺雅人)が歳の離れた新妻の亜紀子(高畑充希)と一緒に新婚旅行先から自宅に戻って来る場面から物語は始まります。

前半は天真爛漫で人の良い亜紀子が、鎌倉という町や一色家に戸惑いながらも馴染んでいく様子や、妖怪たちの夜市や黄泉の国と繋がる江ノ電と死神、鎌倉警察管署内で発生する超常的な事件に協力する正和、一色家に取り付く貧乏神、正和を担当する編集者・本田の物語などが比較的ほのぼのとした雰囲気で展開していますが、後半は黄泉の国に行ってしまった亜紀子を取り戻そうと正和が奮闘する姿が描かれています。

こういうファンタジィは良いですねぇ・・・。個人的には昨日観た「最後のジェダイ」よりも好きかもしれない。

正和が乗った江ノ電が、黄泉の国に向かうシーンが幻想的で良かったなぁ。

なんとなく続編も作られるような気がしますが、こういう映画ならまた観たいですね。