「12人の怒れる男」を観ました


 今日は古いビデオを引っ張り出して、「12人の怒れる男」(12 ANGRY MEN)を観ました。昨日だかに急に観たくなって、そうだそう言えば未だ息子に見せていなかったと思って、乗り気でない息子を無理矢理誘って一緒に観ました。

 まぁ息子も逆転裁判というゲームが好きだし、こういう映画を見せるのも必要な事だと思って、強引に誘いましたが、はじめは何だかんだと言って観ようとしていなかったのですが、途中で結構真剣に観ていたし、終わった後で面白かったという感想も聞けたので満足です。

 何度も観た映画ですが、やはり名作ですよねぇ。はじめは有罪間違いなしと思われた、スラム街での18歳の少年による父親殺害事件ですが、陪審員たちが話し合ううちに様々な事実が浮き彫りになり、無実とまでは言い切れなくても、どうも提出された証言・証拠が怪しくなっていく。

 陪審員ひとりひとりの性格も物語が進むうちに明らかになっていき、正義感の強い男、偏見に満ちた男、ズボラな男、自分の意見があいまいな男などが、殺人事件をめぐって議論を重ねるうちに感情的になり、怒鳴りあいののしりあったりしながら、事実とは何かを解き明かして行く。

 俳優も演技派ばかりを集めています。その中でも、クールなヘンリー・フォンダも良いのですが、何といっても熱くなって最後に泣き崩れるリー・J・コップの熱演がすごいですね。
 
 色々と欠点も有るかもしれないけど、こういう映画を観ると、アメリカという国はやはりすごい国だよなぁと思ってしまいます。

 私がこの映画を最初に観たのは、昔のTV朝日の日曜洋画劇場でだったと思いますが、解説者の淀川長治さんが、「映画の最後で、裁判所を出たところで、最初に無罪を言った男と老人が名乗りあい、握手して別れる場面が有るけど、それまで名前も知らない同士が、ああいう激論をしていたという事を表しているんですねぇ」と語っていましたが、この映画は細かな点まで無駄なく作られていて、ホント名作だと改めて思いました。

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