熊谷達也「邂逅の森」を読みました。直木賞、山本周五郎賞受賞作。
この小説はすごいと以前から聞いていましたので、是非読んでみたいと思っていましたが、こうして読んでみると確かにすごい。
何よりも骨太の男の生き様を描いてはいるものの、主人公松橋富治の周りの女性たちも個性豊かで芯が強くて、昔の日本人は貧しかった分みんなこんな感じだったのかもしれないなぁ、と感心してしまいます。
東北の寒村で、マタギ(猟師)として育ち、この生き様に誇りを持っていたのに、村の有力者の箱入り娘に手を出したために村を追われ、厳しい労働を重ねて採鉱夫となるが、山への憧れは断ち切れず、結局は又マタギとして再出発する男松橋富治。
実に潔く真っ当な生き方をした男が、山の神様が乗り移った巨大な熊と対決するところなど、人間と自然とのかかわりを暗示していて、ある種の宗教性のようなものすら感じてしまう。
ちょっと「おしん」に通じるところがあるような、豊かになった日本人が忘れてしまった原風景がここに展開されて、いやぁ実に素晴らしい作品でした。
この小説はすごいと以前から聞いていましたので、是非読んでみたいと思っていましたが、こうして読んでみると確かにすごい。
何よりも骨太の男の生き様を描いてはいるものの、主人公松橋富治の周りの女性たちも個性豊かで芯が強くて、昔の日本人は貧しかった分みんなこんな感じだったのかもしれないなぁ、と感心してしまいます。
東北の寒村で、マタギ(猟師)として育ち、この生き様に誇りを持っていたのに、村の有力者の箱入り娘に手を出したために村を追われ、厳しい労働を重ねて採鉱夫となるが、山への憧れは断ち切れず、結局は又マタギとして再出発する男松橋富治。
実に潔く真っ当な生き方をした男が、山の神様が乗り移った巨大な熊と対決するところなど、人間と自然とのかかわりを暗示していて、ある種の宗教性のようなものすら感じてしまう。
ちょっと「おしん」に通じるところがあるような、豊かになった日本人が忘れてしまった原風景がここに展開されて、いやぁ実に素晴らしい作品でした。
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