緑の瞳のアマリリス

 久しぶりの読書感想。本はけっこう読んでいるのだから、もっとこまめにブログに書かなければいけませんねぇ。 

 ジェーン・アン・クレンツ(Jayne Ann Krentz)の「緑の瞳のアマリリス(AMARYLLIS)」を読みました。

 地球から隔離されたしまった殖民惑星のセント・ヘレンズでは、地球とは大きく異なる環境で生きていくうちに、いろいろな形で超能力を持つ人間が生まれる。ただこの超能力が曲者で、超能力者一人だけでは力をうまくコントロール出来ず、プリズムと呼ばれる超能力を生かす能力を持つ人間と協力しないと、有効に活用が出来ない。

 そういう世界で、非常に強い超能力を持つ大金持ちのトレントは、自分の会社で行なわれている不正を暴く為に、プリズム派遣会社に有能なプリズムを紹介してもらうが、ここで出会ったちょっと堅物のプリズムのアマリリスに惹かれてしまう。

 桁外れの能力を持つ超能力者とプリズムのロマンスは否定的な結論が多いが、二人が協力してトレントの能力を使ったときに、今までは考えられなかった事が起きて・・・というような、SFを背景にしたロマンチック・ミステリィ。

 家族を大切にする文化が背景にあって、結婚という事に重きを置いている世界で、古風な倫理観を持つアマリリスという女性が、とても魅力的に描かれていて好きです。

 ラストに近づくに連れて緊迫感も出てきますけど、あまりサスペンスは重視していないし、ハラハラ・ドキドキするようなタイプの作品では有りませんでしたけど、少しコメディっぽい男女の気持ちのすれ違いなんかが、楽しめる作品だと思いました。

 こういう話は好きですね。

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