映画「休暇」を観ました。

 今日は有楽町のスバル座で、門井肇監督作品の映画「休暇」を観ました。

 秀作です。

 テーマがテーマだけに、正直全体的に辛気臭いし、静けさが漂う作品ですけど、じっくりと静かな気持ちで見て、色々と思うことの有る作品でした。

 子連れの女性美香(大塚寧々)と結婚が決まった刑務官の平井(小林薫)は、父親の法事で休暇を使い果たして、新婚旅行にも出かけられないでいる。

 なかなか打ち解けない連れ子との関係をどうするか悩む平井だが、そんな時に死刑囚金田(西島秀俊)の刑の執行が決まる。

 死刑執行の際に支え役を務めれば、1週間の休暇が与えられる事から、悩んだ末に誰もが嫌がるこの役に自ら立候補した平井だが・・・。


 ホントに映画のテンポが素晴らしい。寡黙な刑務官を演ずる小林薫も良いけど、何と言っても死刑囚の金田を演じる西島秀俊の演技がすごい。

 死刑という制度に切り込んだ作品だと思いますけど、押し付けがましい所が一切なくて、本当に淡々と命の尊厳を描いている。

 刑務官の仕事をこういう風に描いた作品を初めて観たように思います。刑務官という仕事も、人に対する優しさを持っていないと勤まらないと感じました。

 今日の映画の観客は年配の方が多くて、上映前は咳払いとかけっこうしていたのに、映画が始まってからはしわぶき一つも聞こえず、真剣に画面をみんなが見つめていたようで、観ながら涙を流すような映画ではないけど、とても素晴らしい作品を見たと言う気がします。

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