主人公は僕だった

 DVDでウィル・フェレル主演の映画「主人公は僕だった」を観ました。

 過去12年間、毎朝同じ時間に起きて、毎朝同じ方法で歯を磨き、バス停までの歩数を数えながら同じ時間のバスに乗って通勤する、几帳面だけれどつまらない国税庁の会計検査官ハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、ある日彼の行動を正確に描写する女性の声を聞く。

 気のせいとも思ったし、彼以外の人間にも聞こえているとも思ったが、どうやらこの声を聞くことが出来るのは、彼だけらしい。しかもこの声は、彼が近いうちに死ぬような事を、まるで小説の作者が書くような表現でつぶやいている。

 慌てた彼は文学専門の大学教授(ダスティン・ホフマン)のもとを訪ねて、相談にのって貰うのだが・・・。という、小説の登場人物が実在の人物だと言うファンタジィ作品。

 実際に悲劇ばかりを書いてきた女性作家カレン・アイフル(エマ・トンプソン)が、スランプで筆の進みが遅いとはいえ、何とか自然な形でハロルドを亡き者にした作品を仕上げようと頑張っている。

 一方でハロルドは事件を契機に自分のつまらない人生を見つめなおして、やってみたかったギターを練習したり、好意を抱く女性アナ・パスカル(マギー・ギレンホール)にアタックしたりしているが・・・。

 ウィル・フェレルが主演だと、何となくコメディっぽいイメージを持つけど、全体的には人生を生きる事についての寓話的な作品のように思えます。

 何だかあまりに類型的過ぎるハロルドだったので、彼が生きている世界全体が小説家が作りあげた世界なんだろうと思っていましたけど、実在の人物と小説が突然シンクロしちゃったようなストーリーのようです。

 結構楽しめる作品でした。


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