DVDで「夫婦善哉」を観ました

 織田作之助の名作が原作の映画「夫婦善哉」をDVDで観ました。

 昭和30年の芸術祭参加作品とかで、まだ白黒の映画ですけど風情が有りますねぇ。

 曽根崎新地の売れっ妓芸者蝶子(淡島千景)と化粧問屋の跡取り息子維康柳吉(森繁久彌)は、良い仲となって駈落ちするが、女房と娘を残して駆け落ちした柳吉は中風で寝込む父親に勘当され、二人は臨時雇であるヤトナ芸者に出た蝶子の稼ぎで貧乏暮らしをする事になる。

 蝶子が将来の為にと爪に火をともす思いで貯めた金を遊興に使い果たしたり、賢臓結核にかかって、その費用を蝶子に出させて自分はゆったりと温泉で湯治していたりと、人間としてのシンが通っていずに、フラフラしていて情けないけど、どこか憎めないボンボンを森繁久彌が味の有る演技で見せてくれます。

 今の感覚では、人情にどこか欠けたところが有る情けない男の柳吉と、働き者であくまでも柳吉に尽くす蝶子との生活がピンと来ない気もしますが、人生と言うのはこういうものなのかもしれないなぁと思い、女に比べて男は実際はダメだなぁとも感じます。

 しかし又色々と有っても、腐れ縁というか長い連れ添った夫婦と言うのは良いものですねぇ。

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