「地上5センチの恋心」を観ました

 映画「地上5センチの恋心」を観ました。

 10年前に夫を亡くしたオデット(カトリーヌ・フロ)は、デパートの化粧品売り場で働きながら女手一つで息子(ファブリス・ミュルジア)と娘(ニナ・ドレック)を育ててきた働き者の明るい気性の女性。

 でも美容師の優しい息子はゲイで、気性の荒い娘には職がない。

 そんな生活をおくるオデットの最大の楽しみは、かつて落ち込んだ時に自分を救ってくれた小説の作者バルタザール(アルベール・デュポンテル)の小説を読むこと。

 ある日彼女はあこがれのバルタザールのサイン会に出かけるが、あがってしまってまともに話しかける事すら出来ない。そこで自分の気持ちをしたためた一通のファンレターを彼に手渡すのだが・・・。

 観る前には大人のためのラブ・コメディ、というような感じでいたのですけど、そんな括りで分けられないようなとても素敵な映画でした。

 年齢的には中年女性のオデットが、ふとしたことで気持ちが高揚して身体が舞い上がってしまう所がとても愛らしくて、夢見る乙女のような性格でありながら、結構現実的でもあって、貧しいながらも日常の生活の中に幸せを見つけるのがとても上手で、そういう彼女の周りの出来事が生き生きとしていて、こういう雰囲気はハリウッド映画では味わえないヨーロッパの香りがして、とても小粋で好きです。

 観ていて思わず何度も声を出して笑ってしまう作品でした。

 大ヒットするような映画ではないけど、観終った後に後悔しない作品だと思います。


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