ザ・フォール/落下の王国

 DVDで映画「ザ・フォール/落下の王国」を観ました。

 左腕の骨折で入院中の5歳の少女アレクサンドリア。人懐こい笑顔でたどたどしい英語を話すインド人の少女は、病院中の人々から可愛がられていたが、ある日、足の怪我でベッドに寝たきりの青年と知り合う。

 少女と親しくなった青年は、自分が作った物語を聞かせるが、その続きを聞かせる条件に少女に頼みごとをするのだが、それは自分が自殺するための薬を盗み出させる事だった。

 そんな事とは知らない少女は、好きになった青年のために薬品保管庫に忍び込むのだが・・・。

 
 映画の半分以上は、青年が少女に語る不思議な物語を映像化したもの。これがまた、とても美しくて雰囲気のある幻想的な話で、映像で観る詩のような作品。

 もちろん子供に聞かせる話なので、冒険をかさねる作品なんですけど、途中からは少女自身を登場人物として語ったりして、即席で作り上げている話とは思えないような感じです。

 異国情緒が溢れて色彩が豊かな作中の物語と、セピア色的な病院内の描写、青年の目的と少女の純真さがうまく対比されて、何ともいえない作品に仕上がっています。

 観はじめた時には、何だろうこの映画?と思いましたが、観続けているうちに止められなくなりました。

 「ザ・セル」のターセム監督の素晴らしい作品だと思います。


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