映画「ブッシュ」を観ました。

 映画「ブッシュ」を観ました。

 アメリカの前大統領ジョージ・W・ブッシュの半生を描いた伝記映画。しかし今年の1月に大統領を辞めてから時間もたっていないし、まだ歴史上の人物になったわけでもない人物の伝記映画というのも、ある意味すごいなぁ・・・。

 大学時代に羽目を外して留置所に入れられ、卒業してからは何をやっても上手く行かずに次々に職を変え、飲んだくれてアルコール依存症にまでなった人物が、いくら名門の出でアメリカ大統領の息子だったからといっても、自身も心を入れ替えてアメリカの大統領にまで登りつめると言う一種のサクセス・ストーリーでもある奇跡。

 映画を観るまでは、ブッシュをおちょくったパロディっぽい作品なんだろうと思っていましたけど、実際にはけっこうマジメなスタンスの作品で、輝かしい経歴の父親との確執や劣等感に悩む気の良い男の半生を描いた、けっこう予想外の印象を受けた作品でした。

 世界的にも不人気で、史上最悪の大統領とか、ともかく酷評されているブッシュですけど、彼の評価というのはやはり時間がたって、人々が冷静になった時に評価されるべきものなのでしょう。

 ただ、大統領としての能力はさておき、人間ブッシュは多分とても気の良い好人物なんだろうと思えてならない。

 この作品でもダメぶりを振りまいていますけど、ダメな仕草にどこか愛嬌のようなものが感じられて、オリヴァー・ストーン監督の視線は案外と同情的な風に見えます。

 しかしブッシュが敬虔で正直な好人物だったとしても、その判断が世界中に大きな混乱を招いた一因でも有ったことは事実で、政治家の資質というのは中々に難しいと思います。


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