「群青 愛が沈んだ海の色」

 映画「群青 愛が沈んだ海の色」を観ました。

 キレイな映画で、主人公は長澤まさみのようですけど、実質的には佐々木蔵之介の主演作という印象を受けました。

 沖縄の漁師龍二(佐々木蔵之介)は、療養で島にやってきた由起子(田中美里)の弾くピアノに心を打たれ、いつしか二人は恋に落ち結婚する。しかし娘の凉子が生まれた翌年に、病気が再発して由起子は帰らぬ人になり、龍二は男手一つで凉子を育て上げる。

 この沖縄の美しい島で育った同じ年の若者、凉子(長澤まさみ)、一也(良知真次)、大介(福士誠治)だが、それぞれ行く道は違う18歳の時、一也が凉子への思いを歌に乗せ、二人は結婚の約束をするが、同じく凉子に思いを寄せていた大介は自分の気持ちを隠したまま島を去っていく。

 凉子との結婚を龍二に認めてもらおうとする一也だが、龍二にまだ結婚は早いと言われ、自分はもう一人前の男だと証明するためにサンゴを採りに海に潜るのだが・・・。


 三部構成でキチンと作られた作品でした。一也を海で亡くし、精神的におかしくなってしまった凉子の再生の物語ですけど、この辺りはあまり深みがない感じ。それよりも愛妻由起子を亡くした後で酒におぼれた龍二が、赤ん坊の泣き声で生きていく自覚を取り戻す、それを大介に淡々と話す場面とかの方が胸を打ちます。

 この作品の、ムリに涙を取ろうとしていない姿勢が好きです。


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