借りぐらしのアリエッティ

 スタジオ・ジブリの新作アニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」を観ました。

 古い家の台所の下で暮らす小人一家の少女アリエッティと、心臓の手術を控えた少年翔との物語という事しか知らず、そもそも人間に見つからないように暮らしている小人と人間の話をどうまとめるのか疑問もあったのですけど、なるほどこういう話でしたか・・・というのが観終わった時の素直な実感です。

 人に見つからないようにひっそりと生きる小人と、小人が居ることに何となく気づいていて、彼らと親しくしたいと考えている人間。

 ただ人間に見つかると酷い目に遭うという小人たちの思い込みも、分からない事はないような展開も起こります。

 人間に必要なものを借りるという表現をする小人たちと、小人にモノを盗まれると考える人。

 こういう距離感が、作品に奥行きを出すのだと思います。


 この作品では監督が宮崎駿から米林宏昌に変わっていますけど、全体的には今までの正統的なジブリ作品という感じ。宮崎駿の中の良く出来た作品に比べれば多少落ちても、そんなに悪い出来栄えでもないアニメ映画だと思います。

 アリエッティが父親と初めて借り(狩り?)に行く場面が、工夫に満ちていてユーモラスでちょっとした冒険に満ちていて、楽しいですね。

 ラストも物語全体の雰囲気を損なわずに良かったです。


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