映画「ジーン・ワルツ」

 映画「ジーン・ワルツ」を観ました。

 海堂尊の産婦人科の現場が抱える問題を描いた医療ミステリーを映画化した作品です。

 海堂作品は「チームバチスタの栄光」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」が映画化されていますけど、その2作品は原作も映画も主人公の田口先生の性格も有ってどこかユーモラスな部分があったと思いますけど、この作品は原作はけっこう重たい感じで、映画化されて少し柔らかくなったと思いますけど、それでも十分にテーマは重たい。


 帝華大学病院の不妊治療のエキスパート曾根崎理恵(菅野美穂)は、大学病院で働きながら廃院間近の小さな産婦人科医院マリアクリニックで院長代理として最後の患者4人の診療を続けている。

 そんな中で理恵の上司で次期教授間違いなしとされているエリート医師・清川吾郎(田辺誠一)は、日本では禁止されている代理出産に彼女が関わっているのではないかとの疑いを抱くのだが・・・。

 
 理恵の取った行動の背景が今ひとつ理解できないのは原作にも感じますけど、ただ現実に産婦人科医が置かれた状況が厳しいもので、そんなリスクを負いたくない医療現場で産婦人科離れが進んだ結果、出産する事自体が難しくなっている現状を分かりやすく描いていると思います。

 命という事を改めて考えさせてくれる素敵な作品だと思いました。もっとヒットすれば良いのにね。


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