映画「図書館戦争」

 映画「図書館戦争」を観ました。なかなか面白かったですね。

 有川浩の原作を岡田准一と榮倉奈々主演で映画化した作品で、観る前はこの二人でどうなんだろうと思いましたが、全く違和感を感じませんでした。身長差がちょうど良かった感じです。

 映画の舞台は、メディアの過激な表現を規制する「メディア良化法」が施行され、メディア良化委員会が有害図書と指定した本を廃棄出来る権限を持つに至った架空の日本。一方でこの世界では、図書館に本を護る権限を与えている。

 相矛盾する法律の中で、 メディア良化委員会は武力により有害図書を廃棄出来る権限があり、それに対抗して図書館も図書隊という自衛組織を作っていた。

 この作品は、高校生の頃に良化委員会から本を救ってくれた図書隊員に憧れ、自分も図書隊に入った女性笠原郁(榮倉奈々)と、彼女の担当教官となる堂上篤(岡田准一)が、図書隊員の一員としてメディア規制を強化する勢力に対抗する物語です。

 自分を助けてくれた隊員を王子様と偶像化し、鬼教官の堂上を嫌う笠原ですが、実は笠原を助けてくれた王子様は堂上だったことに気がついていない。そんな二人の恋の行方と、メディア良化委員会に対峙する図書隊の戦い(本当に銃器を用いて戦います)を描いて、原作に忠実な作品だったと思います。

 
 本のことで死人が出る程の武力衝突など、いくら架空の世界の話でもありえないと思いますが、有害図書を規制するという名目で行われる言論統制は現実に有りそうです。

 私自身は保守的な人間だと思いますけど、しかし言論の自由は何にも増して護られなければならないと考えていますので、この作品はエンターティメントではありますけど、比喩的な意味で貴重な作品だと思います。 



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