映画「武士の家計簿」

 動画配信サイト「Hulu」で、森田芳光監督、堺雅人、仲間由紀恵主演の時代劇「武士の家計簿」を観ました。

 幕末の加賀藩に実在した御算用者で、そろばんバカと呼ばれた実直な武士猪山直之(堺雅人)の半生を描いた作品です。実際に猪山家に残された家計簿を、歴史学者の磯田道史氏が「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」として著したものが原作になっています。

 激動の時代ながら、猪山直之自身の生活は淡々としたものです。当時の武家が一般的にそうだったように、多額の借金を抱えた猪山家。その借財を律儀に家計を倹約して返済していく姿が中心になっています。

 あくまでも加賀藩の中級武士の家庭内の物語が中心であって、起伏に富んだ時代劇を期待すると残念ですが、私はなかなか興味深く楽しんで鑑賞しました。

 けっして時代を変えるような派手なものではないけど、筋を通し抜いた武士の生き方が見事な作品です。


 


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