宝塚雪組公演「心中・恋の大和路」

 日本青年館に宝塚雪組公演「心中・恋の大和路」を観に行きました。

 近松門左衛門の人形浄瑠璃「冥途の飛脚」を宝塚ミュージカルにアレンジした作品で、私はこの作品を観るのは二度目。家内によれば、やはり青年館の雪組公演で汐風幸と貴咲美里の主演で観たらしい。日本青年館で観たことは覚えていましたが、誰が演じたかまでは記憶になし。でもなかなか宝塚らしからぬ完成度があったように記憶しています。今回の主演の壮一帆も愛加あゆもなかなか良かったです。

 飛脚問屋の若き主人忠兵衛が遊女の梅川との恋に溺れ、激情に駆られた末に店の金に手を付けて梅川を身請けするものの発覚し、二人で忠兵衛の生まれ故郷に逃げて行くが飛脚問屋組合の追手が迫り、雪降る大和路で心中するという物語。モノトーンの舞台、少ない登場人物、物悲しさに溢れた物語で、華やかな宝塚にしては異色の舞台という気がします。

 感情に動かされて破滅の道に進む男と、そんな男をどうしようもなく愛してしまう遊女の、純粋であるがゆえに叶わぬ恋を、抽象的でありながら分かりやすく上手くまとめていて、意外な傑作という気がしました。

 退団した真飛聖さんと桜乃彩音さんと音月桂さんが観劇に来ていたようで、大きな拍手を受けていました。家内はすぐに気が付きましたが、私は良く分からなかった。


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