宝塚星組公演「黒豹の如く」

 東京宝塚劇場に宝塚星組公演「黒豹の如く / Dear DIAMOND!!」を観に行きました。星組トップスター・コンビの柚希礼音と夢咲ねねの退団公演になる舞台ですが、お芝居もショーも如何にもトップスターの退団公演向けに作られたという印象が強かったです。

 「黒豹の如く」は大航海時代にスペインのために活躍した海賊ソロの子孫にあたり、「黒豹」の異名を持つスペイン艦隊参謀で海軍大佐のアントニオ・デ・オダリス伯爵を主人公にした歴史ロマン。第一次大戦直後のスペインを舞台にしてアントニオと彼のかつての恋人で今はラミレス侯爵未亡人となったカテリーナとの愛と、スペイン国内で渦まく陰謀を描いた作品です。

 何だか良くわからない展開が繰り広げられます。物語に説得力が欠けているため訳がわからない。愛しあう二人が別れなければいけない理由もピンと来ないし、夫を毒殺したとしてカテリーナが脅迫されていたというのも不思議。それが事実なら強請られても分かるけど、そんな事実がない中でなぜ強請られなくちゃいけないのかな・・・。まぁ他にも不自然なところが多々あって内容的には眠くなるような話ですが、トップスターを観るだけならこれもありなのか。

 家内に言わせれば、柚希礼音が格好良ければいいのよとの事。宝塚ではそうかも知れません。もっとコメディタッチな作品なら気にならないんですけどね。


 ショーの「Dear DIAMOND!!」も退団公演に相応しい演出で、こちらは中々上手く構成されていました。柚希礼音は気取らないトップスターなんでしょうか、2階席の通路にも現れて、ファンとハイタッチなどしていました。全体的に明るいし、しみじみしたところをあまり感じさせないところが値打ちです。



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