映画「チャイルド44」

 映画「チャイルド44」をGAGAのオンライン試写会で観ました。

 原作は2009年度の「このミステリーがすごい!」海外編第1位に輝いたトム・ロブ・スミスのサスペンス・ミステリィです。読まなくちゃと思いつつも結局読み損なっていたミステリィでしたから、映画化されていい機会かなと思って試写会に申し込んだら当たりました。

 スターリン政権下のソ連で起きた少年ばかりを狙った連続殺人事件を主題にして、圧政下でも正義感を失わない男と、初めは心がすれ違いながらも絆を深めていく夫婦の愛を描いた作品です。

 主人公のレオ・デミドフ(トム・ハーディ)は秘密警察のエリート捜査官だったが、スパイの嫌疑を受けた妻ライーサ(ノオミ・ラパス)を庇って僻地の民警に左遷される。その地で起きた少年の殺害現場に立ち会ったレオは、その手口がモスクワで起きた少年の事件と酷似していることに気がつき調査を始める。しかし共産主義の栄光と理想国家を謳うソ連内では殺人事件など存在しないとして捜査は妨害される。


 ミステリィというよりは人間の尊厳や生き様を描いた作品で、主人公レオも犯人も戦争の犠牲者と言えるし、そういう世界を描いています。

 但し少々分かりづらい気はしました。理想論はともかく、実際に人間が生きている社会で犯罪が起きないはずもなく、単純にソ連に犯罪はないというような理由だけで捜査が滞るというのが正直ピンと来ない感じ。

 この辺りは原作を読んでみたいと思いましたが、全体的には暗い色調の中で迫力のある人間ドラマが展開されて重厚な作品という気がします。ラストも悪くなかったですね。


   チャイルド44公式サイトはこちらです。 → http://child44.gaga.ne.jp/




コメント