映画「つむぐもの」

映画「つむぐもの」を観ました。

やや剣呑な性格が災いして勤め先を首になり、家でブラブラしているヨナ(キム・コッピ)は、親戚の在日韓国人から紹介されてワーキングホリデーを利用して韓国から日本の福井に働きにやって来る。しかし伝統的な和紙作りの手伝いと聞いていた仕事は、実は脳腫瘍で倒れた和紙職人・剛生(石倉三郎)の住み込みでの介護だった。

妻を亡くし一人暮らしで誰の世話にもならんと言う剛生と、介護の仕事なんてやる気がないと言うヨナ。しかし韓国に帰るにしても金もなく、日本語も話せないヨナは、結局剛生の世話をすることになるのだが・・・。






昔ながらの職人気質で頑固一徹の和紙職人の老人と、彼の介護をするようになる韓国人女性の交流を描いたヒューマンドラマです。

私は本来はこういう映画は好きなのですが、この作品はテーマがぼやけてしまっていて何だかピンと来なかった。

和紙作りだけに情熱を捧げてきた職人気質の老人の生き様を描きたいのか、日本と韓国の異なる文化や社会で生きてきた人の交流を描きたいのか、介護現場のギリギリの状態を描きたいのか、どれも中途半端な印象を受けました。

そもそも韓国で仕事がうまく行かずブラブラしている女性が、日本に来て急になんでも出来てしまうのも不自然だし、全く日本語が分からないはずが、いつしか片言の日本語が話せるようになっているのも、そんな環境にいるようには見えないので不自然。

なんでもアリのアクション物だったら不自然でも気にならないけど、こういうヒューマンドラマでは気になってしまいます。

石倉三郎もキム・コッピも、演技自体は自然だったので、脚本が不自然なんでしょうね。

もっと心に染みてくるものがあると思っていたので少々残念な作品でした。




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