黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-

 東京国立博物館・表慶館に「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」展を観に行きました。

 表慶館で開かれる展覧会は意外と空いている事が多いのですけど、この黄金のアフガニスタン展は予想外の混雑ぶりでした。平成館で開かれていた黒田清輝展よりも、人口密度から言えば混雑していたのではないでしょうか。

 アフガニスタンと言えば、内戦とタリバンの勢力伸長で仏教遺跡に大きな被害が発生したことで知られています。

 もともとシルクロードの要地として栄えた場所ですから、古代ギリシアやローマの影響を受けた遺跡も多いらしくて、この展覧会で古代ローマ展でも観ているような遺跡が展示されているのが、やや不思議でした。

 私のイメージでは、もっと仏教遺跡に関する展示が多いものと思っていました。

 今回の展覧会の目玉のひとつが、アフガニスタン北部のティリヤ・テペで1978年に発見された、有力者の6基の墓に埋葬されていた装身具で、金やトルコ石などの宝石がふんだんに用いられた見事な装飾品が展示されています。

 こういう人類の宝物が狂信的な過激派により破壊されるのは、とても残念なことですが、今回の展示品はそういう事態を防ぐために、身の危険も顧みずに貴重な文化財を隠匿した国立博物館職員たちの勇敢な行動によって残されたものだそうで、そういう点でも意義深い展覧会になっています。




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