映画「64-ロクヨン」

映画「64-ロクヨン-前編」と「64-ロクヨン-後編」を、有楽町スバル座で観ました。

横山秀夫のベストセラー・ミステリィを前後編で映画化した作品です。

昭和64年に起きた未解決の女児誘拐殺人事件「ロクヨン」。警察は犯人に翻弄され続け、誘拐された少女は廃車の中から遺体で発見され、2000万円の身代金は奪われ、犯人を逮捕することが出来ずに、事件から14年が経過して時効を迎えようとしていた。

当時の捜査担当者だった刑事三上(佐藤浩市)は、刑事部から警務部の広報官に異動となり、上司である警務部長・赤間(滝藤賢一)の指示を受けて、自分の意に沿わない広報を行い、東洋新聞の秋川(瑛太)を始めとした県警記者クラブと軋轢を生んでいる。

そうした中で、突然警察庁長官が県警の視察に訪れることが決まり、その際に「ロクヨン」の被害者である雨宮宅を訪問して事件解決の決意を表明するとして、三上は赤間から雨宮(永瀬正敏)の了解を取るように命じられる。

本来は捜査続行中の刑事部が雨宮に依頼すべき事案だが、県警内部では刑事部と警務部の権力闘争が深刻化していた。






流石に横山秀夫の警察小説が原作だけあって、テーマと構成がしっかりしたヒューマン・ミステリィになっています。

誘拐事件のあらまし、14年の月日にとり残された父親の悲哀、警察内部の保身と権力争い、警察とマスコミの対立などが重層的に描かれて、奥の深い映画に仕上がっていて、前編・後編合わせて約4時間の作品が長く感じなかった。

伏線も上手く貼られているし、配役もハマっているように思います。

ただ、二部構成の映画の前編の方が緊迫感があって、本来は盛り上がるはずの後編が意外とそれ程でもなかったのが少々残念でした。




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