サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ

有楽町スバル座でロマ族(ジプシー)のフラメンコ文化を描いたドキュメンタリー映画「サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ」を観ました。

スペイン・アンダルシア地方サクロモンテの洞窟で生活したロマ人が生み出した洞窟フラメンコ。そのフラメンコ独特の情熱的な歌と踊りで栄えたコミュニティも、1963年に起こった水害により衰退する。

この映画は、そうした時代を生き抜いてきた人々のインタビューで構成されたドキュメンタリーです。






フラメンコにもロマ人にも、正直言って興味なかったし、時間が余っていたので暇つぶしに・・・という気分で観た映画でしたが、予想に反して見入ってしまいました。

差別を受け迫害されてきたロマ人たちが築いた独自の文化・生活。貧しいけれどもお互いを思いやる環境で生きてきた中で発達していったフラメンコ。

日々の生活に根付いていたダンスと音楽の日々を、老境を迎えたロマ人たちが省みて語る言葉が、古き良き時代というのとはまた違うけど、ロマの文化や伝統に対する誇りに満ちていて、経済的に恵まれていたわけではないけど、ある意味豊かな暮らしを思わせてくれます。

私の知識不足もあって、映画の中で語られる言葉の意味が分からないことも多かったけど、全体的なニュアンスは汲み取れるし、人に歴史ありと思わせる場面と、ロマ文化と密接に絡んだフラメンコの情感を感じる場面の切り替えも効果的です。

それに70代、80代になっても、映画の中で披露する歌にも踊りにも迫力があって、何だかすごいなぁと素直に感動しました。

こういう映画は何かのきっかけがないと中々観られませんが、観て正解でした。





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