映画「グッバイエレジー」

映画「グッバイエレジー」を観ました。

福岡の小倉・門司を舞台にして、東京で映画監督をしていた男性が、中学時代の親友が亡くなった事を知って故郷に帰り、人生を見つめ直すというような内容のヒューマンドラマです。





映画監督の深山晄(大杉漣)はドラマの撮影をしている時に、新聞で中学時代の親友・井川道臣(吉田栄作)が少年に刺殺された記事を読む。

ケンカっぱやいが男気があり、赤木圭一郎が大好きだった道臣は、共に小倉の映画館・小倉昭和館に通いつめた仲だった。

母親(佐々木すみ江)とのスレ違いから故郷に帰ることのなかった晄だったが、道臣の死を知って故郷に戻り、道臣が歩んできた波乱に満ちた道のりを知るにつけ、彼の人生を元にした映画を作りたいと脚本を書きはじめる。


若い頃の夢だった映画監督にはなったものの、監督人生も終わりに近づいて、時代に取り残された様な気持ちの中で、映画作りに情熱を失いかけている晄の今と、幼くして両親を亡くし、ケンカに明け暮れてヤクザの鉄砲玉に使われて少年院入りをした後に立ち直って漁師として生きてきた道臣の人生を回顧する2つの物語が交差するようなドラマです。

今ひとつ盛り上がりに欠けているような気もしますが、この歳になるとこういう作品が心を打つんですねぇ・・・。

晄が母親と和解する場面は、すぎもとまさとの「吾亦紅」を連想してしまいました。

吉田栄作が九州・小倉の男を熱演し、その妻和代を演じた石野真子が門司の女を演じ、少し古い日本の男と女という味わいが中々良かったです。






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